小中学校でGIGAスクール端末が整備されて、資料はデジタルで送ればいい時代が到来しました。
今はどこの企業もペーパーレス化が進み、どんどん紙で印刷する機会が減っていますね。
タブレットからの印刷方法を知りたいかたはこちらの記事をご覧下さい!
学校にタブレット用プリンタが必要な理由
コロナ禍に伴い企業でもフリーオフィス化やテレワークが進み、紙の資料を使う機会がめっきり減ってきました。
紙でやり取りしていた情報もデータでやり取りしたほうが紛失するリスクも少なくなり、いいことづくめです。
チェックリストのチェックやPCを持ち運べない環境の場合はどうしても印刷した紙をもっていく必要があるケースもありますが、印刷した資料の整理ができない人にとってはいい風潮ですね。
学校現場でも保護者や生徒への連絡にGoogleカレンダーやGoogleフォームを使うなど、最近はペーパーレスが進んできましたが、まだまだ紙が多くみられます。
GIGAスクールで先生や生徒にはタブレットが行き渡ったんだから全部データでやり取りすればいいじゃないか、紙の無駄だよ。
とおっしゃる方もいるかもしれませんが、家庭でのネットワーク環境がない家庭が1つでもあれば全員分紙で印刷して配布する、というのが学校です。
すべて校務用のパソコンで印刷をすればいいのかもしれませんが、校務用パソコンはどんどんセキュリティが厳しくなっていて、様々なメディアやツールを有効活用できるタブレットから印刷できるととても便利ですね。
無いと業務にならない!というわけではありませんが、あったほうが授業の幅が広がる。と考えます。
2022年3月時点での学校へのタブレット用プリンタ配備の状況
現在のタブレット用プリンタの配備状況はどうなっているのでしょうか?
まずは現状の学校でのタブレット用プリンタ配備状況を確認します。
と、言いたかったのですが……。
現在タブレット用プリンタの配備状況が資料になっていませんでした。
大体文部科学省や機器メーカーがデータを出しているんですけどね💦
狭い世界でのお話になってしまいますが、私が状況を確認できる学校約150校での実績をお話しします。
教育委員会にてプリンタを配備している学校数 4/150 2.66%
学校独自でプリンタを配備している学校数 0/150 0.00%
とかなり低い数字になっています。
それではプリンタ配備を希望している学校数はというと
これも概算になってしまうのですが
プリンタ配備を希望していない学校数 0/150 0%
逆説ですが、プリンタを不要と言っている学校はありませんでした。
学校の総意かと言われると「そうだ!」断言できないのですが、タブレットを使った授業をしている際に1回くらいは『直接印刷できたらいいな〜。』と思ったことがあるはずです。
現在学校での運用は?
では、タブレット用プリンタを配備していない学校ではタブレットからの印刷はどうしているのでしょうか?
簡単に一例を紹介します。
とかなり面倒な手順を踏んで印刷をしてるのが現状です。
なぜタブレット用プリンタが配備されないのか
主な原因はふたつです。
- 予算が無い。
- ポリシーやルールが定まっていない・
予算がない
学校で物品を購入する場合は毎年決まった予算の中から捻出しますが、大掛かりな物品購入の場合は補助金頼りになっていることが多いです。
もちろんGIGAスクール整備でも文部科学省から補助金が出ています。
令和4年度もGIGAスクール支援センターなどの色々な補助金が計画されていますが、この補助金はあくまでも支援センターの導入が目的になっているので不足しているアクセスポイントやその他の必要な機器の補助金ではありません。
もし不足している機器を購入する場合は全額市町村の負担となってしまいます。
小さい自治体であれば数10万〜数100万円の補正予算でどうにかできるのかもしれませんが、それなりに中規模以上の自治体となると整備費用も莫大になってしまい、とてもではありませんが急な補正予算での購入は無理!となってしまいます。
声を大にして言いたいこと
ポリシーやルールが浸透していない
新しいシステムを導入する際にはそのためのポリシーを設定することがあります。
GIGAスクール整備でも各自治体で、運用上のルールやトラブルがあった際の報告ルート、校長・教頭の責任・権限などの様々なポリシーを作っていると思います。
しかし、その内容を現場の先生方が知っているのか?というと、全てを把握している先生は少ないでしょう。
もし知っていても校長、教頭などの管理職留まりになっていることが多く、先生全員まで広めているのか?というと、ほとんどの学校ではできていないことが多いでしょう。
そんななか子どもがつかえるプリンタを配備するとなると、「印刷物に関してのセキュリティやルールの周知」を子ども相手にも実施しなければならないため、導入が進められない高いハードルなっているのではと考えます。
プリンタを購入したのはいいが、ネットワークに接続するルールができていないため、そのままだれも使わず教室の隅にポツン…という学校があるそうです。
タブレット用プリンタがない!どうすれば良いの?
じゃあどうすればいいのよっていう話ですが、現状どうにもならないことはどうにもならないので、仕組みの方をどうにかしましょう。
- 職員室のプリンタで印刷する。
- 可能な限りやすいプリンタを導入する。
- AirDropやGoogleドライブを使いペーパーレスでの運用に切り替える。
職員室のプリンタで印刷する
環境や機種に依存してしまうのですが、職員室で利用するA3レーザープリンタはネットワークインターフェースを複数持てる機器が多くあります。機種によっては有線✖️2、無線✖️1の合計3つインターフェースを搭載することができるものもあります。
2つのネットワークインターフェースに2つの設定を入れる
- 職員室ネットワーク
- タブレット用ネットワーク
プリンタ1台に2つのネットワークを構築すれば、どちらからの用途でも使えるプリンタができます。
可能な限り安いプリンタを購入する
用紙はA3まで対応可能で、トレイは4段つけて、レーザープリンタで…
とできれば良いのですが、機能が充実していればそれなりに金額も高くなり購入するハードルがどんどん上がっていきます。
印刷せずオンラインでやり取り可能なものはできるだけオンラインで実施して、どうしても紙で必要なものだけを印刷をすると考えて
家庭用プリンタはWi-Fiに対応していることが多いので無線ネットワークが整備されている学校であれば電源さえどうにか用意できればどこでも設置可能です。
整備されたアクセスポイントによっては無線の規格がプリンタに対応していない可能性があります、購入の際は使用可能な製品なのか事前に確認しましょう。
私の知っている学校ではAPが2.4GHzに対応しておらず、プリンタが無線に接続できない学校がありました。
ほとんどのプリンタは対応周波数が2.4GHzのみです、気をつけてください。
要注意
プリンタをGIGAスクールネットワークに接続してよいというルールが無ければどうにもなりません、ルールがない場合はルールを策定する部署に働きかけましょう。
ペーパーレスでの運用に切り替える
これができれば世話がないよってお話ですが、プリンタが配備されない現状ではどうにもならないことはどうにもなりません、用意されているツールをいかに上手に使って、印刷しなくても業務や授業が進められるように運用を切り替えましょう。
AirDropやGoogleドライブを使えばデータやりとりは簡単です、特にAirDropはiPadを使っている学校では是非マスターしていただきたい機能ですね。
2022年4月23日追記
ChromeBookでもAppleのAirDropと同じように近くにいる機器通しでの画像やファイルのやり取りをする機能がありました!
「ニアバイシェア」という機能です。
使えない場合は管理コンソールで制限している場合がありますので、システム管理者宛に相談してください。
まとめ
学校でのプリンタ配備の現状でした。
- 学校ではまだプリンタが必要である。
- プリンタがなくても運用で対応はできるが大変。
- 高いプリンタを購入しなくても大丈夫。
- クラウドを活用して印刷に頼らない運用に切り替える。
現在この業界は半導体不足の波を真っ向から受けてしまい、プリンタは慢性的に品不足が続いています。
必要と感じたら早めに教育委員会や導入業者との調整を進めてください。
逆に、予算や環境のためプリンタが整備できない学校は、どうにか印刷しなくてもよい仕組みを作っていくしかないでしょう。
GoogleDrive/Gmail/AirDropなど便利なツールや機能がたくさんあります。
運用で対応を進めていただくようお願いします。
これらの機能については改めて記事を作成してご紹介したいと思っております。
機器を販売している導入業者としては自治体でプリンタの配備を勧めていきたいと思っています。
プリンタはインクやトナーを使うのでストックビジネスにぴったりですからね。
様々な状況により配備が進まない現状では手の打ちようがないところが多くあります。
先生方にはご面倒をおかけいたしますが、今しばらくお待ちください。
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