健全なテレワークを導入するための3つの提案

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Akari

うちの会社もようやくテレワークを導入できたんですが、最近テレワークをする人としない人とでなんだか揉めてるみたいなんです。
どうしたらいいんでしょう……

Daisuke

あぁ〜、やっぱり問題になっちゃったか……

テレワークは現在のコロナ禍に置いて導入は必須ですが、少ない社員で業務をしている中小企業の場合テレワーク導入で問題になることがあります。

中小企業向けのテレワーク導入方法については別記事がありますので、この記事を読む前に先に読んでいただくことをお勧めします。

今回は実際にテレワークを導入した私の経験から、導入後問題になったトラブル3つ

と健全なテレワークを導入するために私が実際に行った3つの提案をご紹介します。

Daisukeについて
Daisuke
  • 群馬県在住40代サラリーマン
    転職して東京の大企業で講師を務めつつISMS運用にも携わる。
  • インフラSEから講師へキャリアチェンジ
  • 30名ほどの中小企業でCISO(情報セキュリティ責任者)として7年間従事
  • ISO27001(ISMS)導入
  • テレワークなどクラウドを利用してのサービス導入に携わる
  • 資産管理ツールやクラウドセキュリティなど導入実績多数
  • 情報セキュリティマネジメント保有
  • 情報処理安全確保支援士取得
目次

テレワーク開始後会社で発生したトラブル。

まずはどのようなトラブルが起こったかをご紹介します。

Akari

テレワーク関係なく社会人としての自覚の問題もありそうですが……

Daisuke

それを言われちゃうと何も言えなくなっちゃう……

これは私が実際に体験したもしくは聞いたトラブルです、少しだけ詳しく説明しますね。

テレワークを取得しているが実際は仕事をしていない

Akari

こんなことってあるんですか?

Daisuke

本人から直接聞いたわけじゃないけど、状況や実際の記録から、仕事をしていない。と言うことが判明したケースがあるよ。

一番よく聞いたのが、朝少しだけ仕事をして、その後家の用事や外出をして夕方にまた少しだけ仕事をして終了。のパターンです。

PCの使用履歴をみるとすぐにわかります。

半日だけテレワークを取得してジムに行ったり、金曜日にテレワークを取得して土日と合わせて県外に遊びに行ったり、なんていう話も聞きました。

この辺は、PCの使用履歴から、本人の今までの行動パターンや、仲の良い人からバレるパターンが多いですね。

実際私もテレワークを取得した日には趣味の料理をしていましたが、朝の出勤時間やお昼休みなどに少し時間をとっているだけで、業務しなければならない時間に仕事以外のことをしたことはあまりありません。

Akari

Daisukeさん白状しましたね。
『あまり』ってことは、時にはサボっていますね!

Daisuke

そうはいってもAkariさんも業務時間内ずーっと仕事してるわけじゃないでしょ?同僚と世間話ししたりお菓子食べてたりしない?

Akari

うう……そう言われると何も言い返せないです。

このへんのサボっているのか仕事をしているのかの判断は個人によって異なりますので、意見を合わせることは難しいですね。

ただし、テレワーク中は他の社員からの監視の目がないため、サボりやすいことは否定できません。

テレワーク中の社員に仕事を依頼したら断られた

Akari

これもなんだかすごい話ですね。

Daisuke

この辺は社員の人間関係や管理の問題なんで、テレワーク関係なく仕事を断られてると思うけどね。

実際にあったケースです。

出社している社員A宛にお客様からの急な依頼で客先に行かなければならなくなりました。

ただし社員Aは他に行くところがあり、他に動ける人がいないか声をかけていました。

誰もいないのでテレワーク中の社員Bにお願いをしました。

ちょっと緊急の仕事をお願いしたいんだけど、顧客Aさんのところに行ってもらえないかな?

モブ社員E

テレワーク中なんで無理です!

もう一つ

仕事の予定を組んでいる社員Aが社員Bに翌日の仕事をお願いしました。

ちょっと急で申し訳ないんだけど、明日一緒に顧客Bさんのところに行ってもらえないかな。

モブ社員F

明日はテレワークの予定なので無理です!


Daisuke

まあ、こんな感じ。

Akari

笑ってないでどうにかしてください。

テレワークする社員としない社員でいざこざ

Akari

いざこざって……

Daisuke

テレワーク取得を快く思っていない上司が、部下に仕事を断られたり、他部署でテレワーク中にサボっている話を聞いて、喧嘩になりかけました。

組織での体制が整っていれば何事も起こらないのかもしれません。

しかし、もともと上下関係が希薄だったり、指令系統が整っていない場合は、部下が勝手に動いてしまって業務を管理している上司の仕事が捗らなくなってブチギレます。

結果テレワークに対するイメージが悪くなってテレワーク自体が縮小して最悪消滅してしまうって感じですね。

健全なテレワークを導入するための3つの提案

それでは、先どの事例を元に健全なテレワークを導入するための3つの提案をご紹介します。

「テレワーク実施の為に」システムを整える

まずはシステムの問題ですね。

システムの導入によりテレワークを取得しているが実際は仕事をしていない問題を解決しましょう。

システムが整っていないことが原因で起こる事象
  • テレワーク中のサボり
  • テレワーク中の業務管理ができない

普段は上司が監視できる社内で仕事をしていますが、監視の目が届かないテレワークだと、必ずサボる人が出てきます。

監視の目がないテレワーク中の業務を円滑に進めるためのツールと運用方法をご紹介します。

テレワークするにあたり導入したいツールと運用方法
  • 資産管理アプリケーション
  • 既存業務のペーパーレス化
  • 作業予定と実績の報告ルールを決める

資産管理アプリケーション

資産管理アプリは最近CM等で見ることSky株式会社のSKYSEA Client View

老舗の資産管理アプリLANSCOPE(エムオーテックス株式会社)等ですね。

これらの資産管理アプリは機器の管理だけではなく、操作ログの取得やUSB機器の制御など、複数の機能を備えたIT資産管理アプリとなっています。

様々な機能がついていますが、その中でもテレワークで活用できるのが操作ログの取得で、どのアプリをどのくらい利用しているかを一目で見ることができます。

利用方法によっては結果だけではなくそのプロセスまでを確認する(CM出演者の言葉を引用)ことが可能です。

資産管理アプリを利用すれば、PCを操作している間の記録は全てとっていますので、テレワーク中にPCを操作している時間、操作していない時間を管理者が把握することができます。

外出予定のない日にPCを操作した記録がない、出勤の連絡はあったがPCに一切触れた形跡がない、等の際は上司から確認の電話を入れるなど対応が可能です。

既存業務のペーパーレス化。

注文書や経費精算書などを紙ベースで行なっている場合はテレワークの推進のため是非ペーパーレスを進めて下さい

自社で使っているグループウェアで対応が可能であればそれを利用すれば良いですし、もしグループウェアを使っていないのであればfreeeなど無料でスタートできるクラウド型会計ソフトをおすすめします。

私の勤務している会社は数年からFAXをデータで受信して受信のたびに印刷することをやめました。

紙やトナーの削減もできますし、フォルダから受信したファイルを移動するだけで目的の相手にFAXを渡すことができます。

今までは総務の社員がFAXが届くたびにいちいち手渡しをしていましたが、どう考えても非効率ですよね。

ここ数年で販売されたFAXは受信したデータを紙に印刷しないでサーバーなどに直接保存ができるようになっています。

もし社内の複合機が紙での送受信にしか対応していない場合は、eFax等パソコンやスマホから直接FAXを送受信できるサービスもあります、このようなサービスを活用してペーパーレスが進められるといいですね。

作業予定と実績の報告ルールを決める

もう一つはテレワーク時に行う報連相ルールを決めることをおすすめします。

といっても業務開始前に、コミュニケーションツールを使って挨拶をする、業務終了時の報告をするなど簡単なことで大丈夫です。

あまり細かいルールや面倒なルールを作ってしまうと、テレワーク取得のハードルが上がりテレワークの衰退化につながりかねません。

導入をおすすめしないルールの例
  • 細かいタイミングで何もなくても定期的に連絡をする。
  • 1つのタスクが完了するごとに細かく連絡する。
  • 報告の際は挨拶などビジネスマナーに十分に気を付けること。

このようなルールは絶対に導入せず、報告する側される側が面倒と感じない程度のルールを作成してください。

顔の見えないテレワーク時の、ほんのちょっとの手間で業務を円滑に進めることができます。

メールでの連絡になると、宛先や冒頭のご挨拶、締めのご挨拶など、無駄が多くなります。

LINEやTeams、Meetなどのチャットができるコミュニケーションツールであれば面倒なところを省いてやり取り可能です、是非ご利用ください、

日本だとLINEが流行っていますが、あくまでも個人向け商品の為、業務での使用に不安がある場合はLINEWORKSTeamsなど業務利用向けに作られたアプリをつかってください。。

Akari

IT資産管理はテレワークの導入するしないに関わらず導入をしたほうがよさそうですね。、

Daisuke

そうだねぇ、「何かがあってから」では遅い時があるからね。

「テレワークとは何か」を正確に理解する

テレワークを取得する社員、取得しない社員両方でテレワークについて間違えた認識を持っている社員を見かけます。

良く聞いた間違いはこの2つ。

テレワークについて間違えた認識
  • テレワーク=在宅勤務
  • テレワーク=会社や客先に行ってはいけない
Akari

え?テレワーク=在宅勤務で、会社に行かないことじゃないんですか?

Daisuke

コロナ感染などが理由で外出禁止になっている場合はそうなるんだけど、特に制限がかかっていなければイコールにならないんだよ。

そもそもテレワークという言葉自体は

tele=離れたところ
work=仕事

をつなげた言葉なんで、ICT機器を利用して離れたところから仕事をしようね、と言うことです。

リモートワークとも言い換えられますが、Remote=遠隔なので、同じ意味ですね。

なので会社でしかできないことがあれば、会社に来てもいいし、顧客から呼ばれたら出向いても全く問題ありません

テレワーク導入の計画を立てた時は何名かから

見積もりや報告書にハンコが押せないだろ!代表者印を家に持ち帰っていいのかよ!

FAX送りたいんだけど自宅にFAXなんて持ってないよ!どうすればいいの?

などの質問を受けました。

このようはことを質問してくる方は、「テレワーク中は自宅から出てはいけない」という間違えた認識を持っているので、いくら説明しても理解してもらえず苦労します。

会社に来る必要があればテレワーク中でも会社に来ればいいし、お客さんに呼ばれたら自宅から向けってもいいのです。

FAXについてはペーパーレスのところでも紹介しましたが最近の複合機は紙を使わずにアプリから直接FAXを送信することができます。

利用できる社内システムをうまく利用して、円滑にテレワークを進めましょう。

「テレワークをする意味」を考える

さて、最後はテレワークをなぜするのか?という問題です。

Akari

これって情報セキュリティの時もありましたけど、意識の問題ですよね。

Daisuke

そうだね、人を変えるって言うのは難しいと思うので、理解してもらえる範囲で、考えを伝えていくしかないね。

大前提としてテレワークは

会社での密を避けて感染拡大を防ぐこと

が、目的であって、決して

  • 通勤時間を減らして社員にラクをさせる。
  • 有給が足りないときに取得する。

ものではありません。

確かに通勤時間が無くなりますので非常に楽になりますが、通勤時間が減ってラクになるのは結果であって目的ではないですよね?

なのでテレワーク中の社員は出社している社員と同じ仕事をするの当然です。

テレワークしているからといって、仕事を拒否したり、仕事を選んだりしてはいけません。
お客様から来てほしいと言われれば出向き、ハンコが必要な書類があれば客先に出向くついで会社に寄ってハンコを押していけばいいのです。

自席の場所が社内から自宅(もしくはその他)に移動しただけ

という意識をもっていればテレワーク取得に対して文句を言われることはありません。

下に書いてある言葉は絶対に言ってはいけませんよ。

テレワーク中なのでできません。

まとめ

今回は

をご紹介いたしました。

新しいことを始めるのは大きな力が必要です。

一人でも自分勝手な社員がいると全体のシステム崩壊を招きます。

俺だけだからいいだろう。

と思わずに、社員全員で思いやりを持ってテレワークが進められるといいですね

テレワーク導入に関しては中小企業情シスのためのテレワーク導入ガイドという記事も書いています、ぜひご覧ください。

Akari

まずはテレワークをするためのシステム整備からですね!

Daisuke

そうだね!お金のかかるところだから予算を計上して社長に相談しよう!

他にも情報セキュリティ担当者目線で書いた仕事術があります。ぜひご覧ください。

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