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【MEXCBT】学習eポータルの導入とこれからの課題

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目次

学習eポータル導入について

まずは学習eポータルの導入経緯についてお話をしたいと思います。

MEXCBTに接続するために学習eポータルを導入する。
GIGAスクールでの端末整備の際に学習eポータルを契約した。
とりあえず学習eポータルの導入は見送った。等
自治体によって対応が異なったかと思います。

MEXCBTについてはこちら

NECのGIGAスクールパックはChromeBookにOPE(Open Platform for Education)が含まれており。
NTTコミュニケーションズのGIGAスクールパックもまなびポケット付きで販売していたようです。
内田洋行はGIGAスクールパックにL-Gateではなく
Edumallをつけていたため今回の学習eポータルとは毛色が変わってきますが、
大体の自治体はGIGAスクールでの端末導入の際に
いずれかの学習eポータルとセットで購入されたところが多いのではないでしょうか。

端末の整備は終わりましたが端末にセットでついてきた学習eポータルを利用しているのかと言われれば、そういうわけでもかったようで、2021年度はGIGAスクール整備をまずは完了することが目的になってしまいました。

ネットワーク整備や充電保管庫で手いっぱいだったところに端末も導入しなければならなため、
とりあえずついているものは導入しておくが、まずは児童生徒にGIGAスクール端末を渡して使ってもらうことが最優先となり。
学習eポータルについては整備を先送りにした自治体も多いと思います。

各社学習eポータルについてのまとめはこちら

関連アカウントがシームレスにつながっているか

導入に際し大きな課題となるのは、関連アカウントがシームレスにつながっているかです。
すでに小中学校ではMicrosoftAzureやGoogle for Educationなどを利用した授業が進んでおり、必要なアカウントは児童生徒にいきわたっているかと思います。
学習eポータルを利用する際は学習eポータル用のアカウントを別に作成する必要があるため管理が必要なアカウントが一つ増えることになります。
アカウント管理の工数を減らすため、SSOやID連携などで関連アカウントがシームレスにつながっていることが必須です。

小学生にアカウントを入力してもらうことは難しい

なぜ連携が必須になるのでしょうか。
GIGAスクール端末にはWindowsPC、Choromebook、iPadの3種類のOSがありますが
WindowsやChromeBookはログオンのたびにパスワードを入力する必要があります。

パスワードの管理については最新記事で詳細に説明していますのでぜひご覧ください。


中学生であればある程度の文字数でも問題ないかと思いますが、
小学生の場合英数字が混在しているパスワードを入力をさせることが大きな壁となります。
小学3年から英語を授業で学習しますが習っているからと言って小学3年生が全員アルファベット入力ができるわけではありません。
小学3年生で学習する英語はALTの先生に英語をしゃべってもらい復唱するような、聞いて話すことが中心です。
少ないサポートで英数字混在のパスワードを入力できるのは小学5年生以上から、
4年生以下はパスワード入力の際に「せんせー「A」ってどこー?なにー?」となってしまい授業をスタートする事すらできません。
そのため、セキュリティは下がってしまいますが、小学校低学年はパスワードを数字のみとしたり、文字数を少なくしたりするなどの対策を講じ、低学年の児童でもタブレットを利用できるよう、ルールを設定している学校多いでしょう。

ではアカウントはどうでしょうか?
GoogleアカウントもMicrosoftアカウントも「ユーザー名@ドメイン名」となるため英語の入力が不可欠です。
文字数も極端に短くすることもできないため、授業の際小学生に毎回入力してもらうことは難しいでしょう。

アカウントはキャッシュさせたい

パスワードは簡単なものに設定することが可能ですが、アカウントを簡単な文字列に変更することはできません。
教育委員会で管理している場合はドメイン名や各学校の識別番号なども入ってくるため長くなってしまいます。
その長い英語の文字列を小学3~4年生、さらには小学1~2年生に入力させるのはかなり手間のかかる(さらに言ってしまえば無謀)作業になります。
最初の1回のみの入力でよければ先生とICT支援員、今年度でいえばDXサポーターに手伝ってもらえれば何とかなると思いますが、毎日、毎時間となるとそうはいかないでしょう。
先生からすればこんな手間がかかるのであれば使わないで授業をしたほうが効率が良くなる
となってしまい、もうタブレットを使わないほうが良いという選択肢を選んでしまう可能性も出てきてしまうでしょう。

MEXCBTと学習eポータルはシームレス

ではMEXCBTについてはどうでしょうか。
MEXCBTの規格にSSOが含まれているため、MEXCBTと学習eポータルはアカウントやパスワードの再入力が無いようにSSOでシームレスに連携されています。
Windows、Chromebook、iPadどれでも最初の学習eポータルへのログオンさえクリアすれば次はパスワードの入力のみ、もしくはパスワードも記憶させてしまえば、ワンクリックでログオンできます。

学習eポータルと連携教材もシームレス

学習eポータルと連携可能な学習教材もシームレスになっています、これはメーカーの作り方にもよりますが、既存の教材はSSO連携不可で、対応教材のみSSO連携に対応しているというケースもあります。
SSO対応となっていてもID連携やその他の補足がある場合もありますので、必ず確認をしてください。
注意点としては無料で使える教材はほぼほぼSSO連携非対応です。

学習eポータルとMicrosoft/Googleアカウントは?

これは各学習eポータルによって異なりますので、個別にご説明します。

L-GateはMicrosoft(以下MS)とGoogleの連携が取れており、基本MSやGoogleアカウントが上にある状態での利用となります。
MSやGoogleのアカウントでログインすれば、連携しているMEXCBTなどの機能を再びアカウントを入力することなく利用できます。
Googleでパスワードを変更すればL-Gateにも連携されパスワードが変更されます。
L-Gateを通さなくてもMSやGoogleのサービスが利用可能です。

OPEはGoogleとの連携が可能ですが、OPEアカウントが上になるSSO連携です
Googleのサービスを利用する際はOPEを経由することが必須となります。
ここで一つ問題が発生します。
OPEの場合GoogleのパスワードはOPE管理となり、Googleアカウントのパスワードが隠されてしまいます。
そのためGoogleのサービスに直接ログインできずGoogleのサービスを利用するためにはOPEを経由する必要があります
ブラウザでOPEにアクセスできれば端末の種類は関係ないとのことですが、スマホやiPadでGmailを利用するにもOPEを経由する必要があります。
GIGAスクール端末に限ってしまえばブラウザのキャッシュやCookie等を使えばアカウントの入力をする必要はありませんが、Gmaiなどのlアプリでの利用ができなくなってしまうのは大きなデメリットでしょう。

この問題は2022年3月のアップデートで一部修正がありました、詳細は下記リンクからご覧ください。

もともとOPEはNECが販売していたChromebook用なのでChromebook専用として開発されたのでしょう。
iPadやWindowsで利用する際に手間がかかることに関しては、他メーカーに少し遅れをとっているでしょう。

先生や教育委員会担当者が使いやすいシステムになっているか

次は利用者視点ではなくではなく管理者視点での課題です。

アカウント管理について

システムを導入すればアカウントの管理が必要になってきます。
新規アカウントの発行はそのとき1度で済むので多少手間がかかっても問題はないのですが、
問題になるのは修正や新規登録、そして年次更新です。
修正や新規登録は1年に1回の仕事ではなく頻繁に行う仕事です。
パスワードのリセットなどもありますし導入間もないうちは頻繁に発生するでしょう。
年次更新は1年に1回ですが、逆に1年に1回しか実施しないので忘れていることも多いです。
そのためマニュアルや管理画面がどのくらい見易いかが課題になってきます。
さらに言えば電話サポートがあれば尚よいでしょう。

ID連携できるのか

SSO連携で利用者はシームレスに使えるかもしれませんが、ID連携ができない場合、管理者は大変です。
各教材アカウントごとに年次更新、所属の変更、パスワードのリセットなどなどすべて別々に管理する必要があります。
A君がA校からB校に移動した場合、学習eポータル/Google/その他教材すべての所属を変更する必要があり。
パスワードについても統一しているのであればすべてをリセットもしくは変更しなければなりません。

これから学習eポータル提供各社に望むこと

学習を止めない

先ずは「学習を止めない」こと。既存のシステムにプラスアルファで導入という形が一番望ましいですね。学習eポータルを導入したら今までやっていた授業ができなくなってしまったor授業をするのが大変になってしまった。となってしまっては学習eポータルを導入する意義を失ってしまいます。メーカーや導入する業者が大変になる分には問題がありません、それなりに対価をいただいて頑張って児童生徒のために汗を流しましょう。

導入しやすいサポートを

無償サポート有償サポートいろいろありますが、オールインワンを望むところ、必要なサポートのみを望むところ、学校・自治体によって様々です。ある程度相手によってカスタマイズできるサポートが組み込まれているとありがたいですね。

利益の出せる学習eポータルに

メーカー、導入業者、自治体、教育委員会、学校、先生、生徒児童すべてに利益が出る学習eポータルを目指していただきたい、今は競合他社をいかに出し抜くかが各メーカー争点になっているかもしれませんが、そこで選ばれた学習eポータルは今後数年~数十年利用されるかと思います。その時にすべての人が「この学習eポータルを選んでよかった」となると良いですね。

令和3年度は教育DXの推進に向けて文部科学省からDXサポートに関わる補助金がありました、ただしサポートに関わる費用に対して最大50%となるので、もともとの予算が厳しい自治体には適用が難しいかもしれません。文部科学省には補助金額を減らしてでも100%補助金をつけていただくなど、財政難な自治体に向けてのフォローもしていただけるとありがたいですね

(2022年5月17日追記)GIGAスクール運営支援センター整備事業について

GIGAスクール運営支援センター整備事業とは

令和4年度はGIGAスクールの総合的なサポート目的に
GIGAスクール運営支援センター整備事業の予算要求がありました。

この事業のため、令和2年度にあったGIGAスクールサポーターと
令和3年度にあったDXサポーターには予算が回らなかったようで、全員学校から去ってしまいました

支援センターの業務内容

  • ヘルプデスクの開設及びサポート対応
  • ネットワークアセスメント及び応急対応
  • ICT支援人材の育成及び確保
  • 休日・長期休業等トラブル対応 等

上記の4つです。

アプリの操作説明から、ネットワークの障害対応、人材教育、夜間休日のトラブル対応とやることが沢山ですね。

用途と補助割合

自治体や学校で業務を遂行しなくてもGIGAスクール運営ができるように
民間事業者への業務委託費等を補助するための予算となっています。

補助割合は2分の1です。

GIGAスクール運営支援センター整備事業について考察

今回この事業の補助を受けるためには、一定規模を有する自治体、もしくは複数の自治体が連携して事業を行うこと
が条件となっていますので小さい自治体が単独で補助を受けることはできません
GIGAスクール導入後から自治体が独自で民間事業者の手を借りずに
教育委員会の担当者や雇用したICTサポーターが学校の支援をしている自治体については。
補助を受けることにより民間業者に業務を丸投げすることにより大幅な工数削減か可能かと思います。

しかし、工数は削減できるものの民間事業者に業務を委託するとなると、多大なコストがかかってきます。
実際にこの業務を我々民間事業者が行うと想定して見積もりを出す場合は。
ネットワークスキルがありOSの知識もある社員をリーダーとし
ヘルプデスク要員の非常勤のパートタイマー、休日対応するためのメンバーや先生に教育をするためのメンバー等
多くの人員を駆り出す必要があり、その人員を教育するコストがかかってきます。
自治体の規模にもよりますが令和4年度1年間のサポートをするとして500万や600万では収まらないでしょう

このことから今回の事業の恩恵にあずかれるのは潤沢に予算があり、かつ自治体の規模が大きいところとなります。
規模の大きな自治体はもともと民間事業者に業務を委託しているところも多いでしょうし。
自治体の規模が大きければコストメリットが出ますので、半分補助が出るのであれば事業の幅を広げてもらうなど、有効に活用ができるしょう

問題になるのは今まで教育委員会担当者や、教育委員会で雇用したICTサポーターで学校の支援をしていた自治体です。
民間事業者に業務を依頼するとなると、大幅なコスト増となりますし
いままで雇用してたICTサポーターの解雇など様々な問題が出てきます。
近くの小さい自治体同士で連携して事業を行うにも、
Windowsの自治体ChromeBookやiPadの自治体等GIGAスクールで導入されたタブレットはそれぞれ異なることもあるでしょう。
扱う端末が異なれば管理ツールもMicrosoftやGoole、Appleとすべて異なってきます。
導入後1年以上経過しており、自治体ごとに管理体制のできた現状での業務の統合はとても難しいのではと考えます。

管理方法が難しくなればそれだけ業務委託に関わる工数(価格)も上がってしまいます。

どの自治体から予算申請が来るかはもう少し後にならないとわかりませんが。
大きな自治体以外ほぼ申請が無いのでは、と考えます。

まとめ

まだまだ迷走している感が否めないGIGAスクール計画ですが、文部科学省も苦労しているのか、毎年補助金の事業内容が異なっています。

現状の迷走状態の原因

各自治体でGIGAスクールに対しての対応が異なっており、現状では統一することが難しいのではないか、と考えます。
これが、当初の計画通り4年〜であればその間にでた様々な問題点や、指摘事項を修正しながら導入することができたでしょうけれども。
計画が大幅に短くなってしまったため、現在の迷走状態はどうしても避けられなかった。のではと考えます。

学校や自治体間で教育に差があってはならないということから、文部科学省としては統一した管理体制を敷きたいのでしょう。
そのため、今回のGIGAスクール運営支援センター整備事業には補助金を受けるための条件が設定されたのではないかと考えます。
補助金なしで自治体で整備をするより、まとめて大きな自治体で整備をした方がコストメリットが出やすいですから。

ただし今回文部科学省が見誤ったのは

  • 現状で自治体間の連携が取れていないこと
  • 導入時にタブレットのOSを選択制にしてしまったこと
  • 県に統率させるための時間を与えなかったこと

です。

自治体間で情報のやり取りはしているかもしれませんが業務の連携は取れていないでしょう。
管理体制の異なる自治体が連携をするにはハードルが高すぎます。

次にタブレットのOSが自治体によって異なるということです。
上でも説明しましたがOSが異なれば複数の自治体での一元管理は難しいでしょう。
導入時から県単位や教育事務所単位でOSをまとめていれば、この予算を有効に活用できたかもしれません。
(導入時にそんなことは不可能だったことは十分分かった上での意見です。)

最後は時間の問題ですね。
県が自治体と情報を共有して考える時間を与えていれば違った結果が出たかもしれません。
と言ってもこれを実行する場合は年単位での時間が必要ですので、これも現実的ではありませんね。

これからGIGAスクールを活用するには

国や各省庁が自治体に使いやすい予算を与えることです。

自治体によっては今回のGIGAスクール運営支援センター整備事業のように大きな事業ではなく。

  • APが不足しているので、少しだけ追加をしたい。
  • タブレットの故障に対応するための修理代が欲しい。
  • ICT教育をサポートしてくれる人員を雇いたいetc

上記のような自治体ごとに異なる細かい事に対応できる予算を望んでいたと考えます。

また、せっかく教育してICTサポートができる人員を雇ったのに、来年は予算が付いていないから雇えないなど
単年度の予算では長期計画ができず、どうしてもその場凌ぎの計画となってしまいます。
そして、お金のない自治体はそもそも半額出してもらっても予算の執行ができません

予算を持っている各省庁に望むのは、

  • 補助する予算の使い方を広くする。
  • 単年度ではなく複数年にわたっての補助とする。
  • 補助割合を80%や90%に増やす。

ことです、難しいかもしれませんが、関連省庁には上記のことを望みます。


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