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前橋市の事例をもとにGIGAスクール端末での動画視聴問題について考察

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いつかこの話題が出るかとは思っていましたがやっぱり出ましたね。

持ち帰り端末のYoutube視聴問題

Youtubeは有用なコンテンツが多いので、できれば学習のために使いたいコンテンツですが、このように学習とは関係のないところで無駄な通信料が発生してしまうのは避けたいところです。

動画視聴で200ギガ以上利用も 児...
動画視聴で200ギガ以上利用も 児童生徒175人が貸与のiPad長時間使用 群馬県前橋市 | 上毛新聞社のニュー...  群馬県前橋市内の小中学生らに1人1台貸与しているタブレット端末について、通信量が多く、長時間使用などを改善するように市教委が呼びかけた児童生徒は、昨年9月から6月...

ほとんどの学校では校内LANを通してインターネットに接続していると思うのですが実際はどうなのでしょうか?

目次

校内通信ネットワーク環境整備等の状況

文部科学省から校内ネットワーク整備状況のレポートが出ています。

調査の概要
・令和3年3月末時点の公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校の
校内通信ネットワーク環境整備等の現状(令和3年2月時点での予定)
・提出自治体等数:1,815自治体等 (学校数:32,787校)

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20210319-mxt_syoto01-000013552_02.pdf

少し前のデータになってしまいますが供用開始済み 27,787校の内訳は以下の通りです。

校内ネットワーク環境の現状
3月までに整備を完了し供用開始24,701校
GIGAスクール構想以前に整備済み1,934校
LTE端末で対応1,152校

おおよそ4%の学校がLTEを利用しているようですね。

LTEで接続をしている場合は、スマホと同様に各端末で通信をするたび料金が発生します。

5GB、10GBプランなど一定の通信量までは一定の価格で契約をすることが多いのですが、契約を超えた分については通信速度が実用に向かないくらいまで落ちてしまうので、組織全体で通信容量を決めて全端末合わせて契約することもあります。

前橋市の場合は1か月あたり200GBを超えていたこともあったようなので、使わない端末分で通信量の多い端末をカバーしていたのかもしれませんね。

持ち帰り端末のYoutube視聴問題について

では今回前橋市でなぜこんな問題が発生してしまったのかを考察します。

考えられる原因は主に以下の3点にです。

iPadの場合スクリーンタイムという機能である程度これらの機能制御は可能ですが、基本的にスクリーンタイムを細かく制御できるMDMは今のところ存在しません。

適切なフィルタリングルールがない。

子供にインターネットができる機器を与える際にまず考えなければいけないのがいフィルタリングです。

スクリーンタイムでも制御可能ですが、制御をするためには端末ごとに設定をする必要があります。

フィルタリングとは

フィルタリングとは、主に未成年者の違法・有害なウェブサイトへのアクセスを制限し、安心してインターネットを利用できるよう手助けするサービスのことです。フィルタリングを事前に設定しておくと、子どもがアダルト系やギャンブルなど有害なサイトを見る危険を回避できます。

ITトレンド

子供に見せたくないWebサイトや利用させたくないサービスをブロックするのがWebフィルタリングです。

フィルタリング導入率

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i-Filterなどのフィルタリングサービスで有名なDigitalArts社によると導入率は7割程度とのことで。

おおよそ3割の学校でフィルタリングサービスを利用することなく、子供にインターネット環境を与えているということになります。

フィルタリングしていないタブレットからは、子供が見たいところは好きなだけ見ることができてしまうので学習と関係のないYoutubeなどのサイトでも見放題となってしまいますね。

フィルタリングを解除したり回避したりするのは絶対にやめましょう。

「giga端末 youtube 見る方法」などで検索すると色々なサイトが出てきます。

回避するためのサイトや、回避するためのツールがダウンロードできるため、アクセスも多いようですが
下手に閲覧、ダウンロードをしてしまうとマルウェアや不正プログラムに感染する可能性があります。

サイト側はあなたのタブレットがウイルスに感染してファイルが暗号化されて教材が使えなくなっても、マルウェアに感染して個人情報や学校の情報を抜かれても何も助けてくれません

最悪の場合犯罪に巻き込まれるなど、あなたや家族そして学校のクラスメイトを危険に晒してしまう可能性があります。

犯罪に巻き込まれた原因が「YouTubeが見たかった。」なんて笑えませんよね。

あなたとあなたの近くの人を守れるのはあなただけです。そのことを十分に理解しましょう。

使用時間の制限をしていない。

GIGAスクール整備において自治体や学校などではタブレット利用についてのルールが策定されていると思います。

持ち帰り時には夜21時~朝6時まではタブレットを利用しない

など使用時間についてはルールを設けることが望まれます。

使用時間に関するルールが無ければ、子供は好き勝手にいつでも利用ができてしまいます。

ChromeBookでは端末自体の使用時間を強制的に制限することは難しいのですが、フィルタリングソフトで時間帯によってインターネットの使用を制限する等の方法もあります。

夜間や早朝など学習時間としてふさわしくない時間のインターネットは制限することが望まれます。

保護者や学校の先生の力を借りることになりますがiPadであればスクリーンタイムで端末の利用時間が制限可能です。

利用できるサービスと制限するサービスが細かく設定できますので、iPadを子供に使わせている場合は必ず設定をしてください。

保護者のモラルの問題

家にいる時間に子供がする行動は保護者の責任です。

いくら学校から与えられたタブレットとはいえ自分の子供が深夜までYoutubeを見てしまい勉強をしないなどの問題は

学校の責任ではなく保護者の責任で子供に勉強をさせましょう。

ないとは思いますが、子供が通信料無料(無料ではなく自治体が支払っている)のタブレットを持ってきたからといって、保護者が私用で利用したり、無駄に通信料を消費するのは絶対に避けてほしいところです。

Akari

このあたりはもうほんとにモラルの問題ですね。

Daisuke

使えるものを使わないと損をしている。
と考える人がいるようですね。

前橋市の事例に学ぶ通信料問題

実際に問題になっている家庭は数件で、ほとんどの家庭ではまともに使っているのではないか?

GIGAスクールタブレット導入前はこのような考えだったのですが、実際はどうだったのでしょうか?

群馬県前橋市内の小中学生らに1人1台貸与しているタブレット端末について、通信量が多く、長時間使用などを改善するように市教委が呼びかけた児童生徒は、昨年9月から6月までに延べ175人だったことが、市教委への取材で分かった。呼びかけ後も改善しない場合、保護者にアプリケーションなどの使用時間を制限する機能の活用などを勧めている。

動画視聴で200ギガ以上利用も 児童生徒175人が貸与のiPad長時間使用 群馬県前橋市

令和4年度の児童生徒数は23,387人ということで

175÷23387=0.74%

0.74%の家庭で問題が発生してしまったことになります。

市教委によると、改善を求めたのは、高速通信「LTE」の通信量が1カ月で200ギガバイト以上か、2カ月連続で100ギガバイト以上だった児童生徒。月100ギガバイトは高画質の動画を平日に毎日2時間、土日に同3時間見た場合に相当する。利用状況を確認すると、娯楽目的で動画投稿サイト「ユーチューブ」などを長時間視聴していたケースが目立った。

動画視聴で200ギガ以上利用も 児童生徒175人が貸与のiPad長時間使用 群馬県前橋市

学校と自治体、家庭でどのような対策が必要だったのでしょうか?

学校・教育委員会で必要な対策

  • 適切なフィルタリングの設定
  • 利用時間の制限

適切なフィルタリングの設定

GIGAスクール端末対応のフィルタリングソフトは各社から様々な商品が発売されています。

以前は学校にフィルタリングサーバーを設置し(オンプレミス)、学校からインターネットに出る場合は必ずフィルタリングサーバーを経由させることによって、子供が不適切なWebサイトに接続することを防ぎます。

持ち帰り前提のGIGAスクール用タブレットではオンプレミスのフィルタリングサーバ-ではなく、場所を問わず利用が可能な、クラウド型のフィルタリングサーバーを導入することをおすすめします。

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利用時間の制限

MDMツールやフィルタリングソフトなどで使用時間の制限を行いましょう。

深夜や早朝はフィルタリングソフトを使ってインターネット全体をブロックしたり、Youtubeなどの主に問題となるサイトのみをブロックしたり、強制的に利用できない状態にすることも時には必要です。

ただし、インターネット自体は利用方法によっては学習の際にとても有用なツールです、勉強をしている時間にはアクセスできるようにする、カテゴリでブロック(許可)する等細かい設計が必要でしょう。

家庭で必要な対策

  • 子供のタブレット利用時間の管理

学校から貸与されたタブレットなんだから、子供にタブレットの正しい使い方を指導するのは学校にある。

と公言されていてる保護者や教育者もいらっしゃるようですが、家に帰ってきてからの子供の管理責任は保護者にあります。

子供が家に帰ってきてから深夜までずっとタブレットを使っているから、何とかして。

先生は目の届かない子供まで行動を管理することはできません。

目の前にいる保護者で適切な指導をすることが望まれます。

家庭でのネットワーク環境について

GIGAスクール用タブレットをWi-FiではなくLTEで導入した学校は全体の4%です。

96%の学校では校内LANを整備しているため家庭でインターネットを利用する場合は各家庭のネットワークを利用する必要があります。

少し前のデータになりますが、家庭のネットワーク環境について調査した記事ががあります。

現在でも約5%の家庭でWi-Fiを利用できる環境が整っていないという結果でした。

GIGAスクールタブレット導入から2年経ちましたが、各家庭での通信環境整備は100%にはなっていないでしょう。

小中学校は義務教育ですので家庭学習を学校から指導した際は、家でインターネットを使った学習ができるように通信環境を用意する義務が発生してしまいます。

各自治体ではモバイルルーターを無償で貸し出すなど学習が滞らないように整備を進めていますが、通信料は各家庭の負担としているところが多いようです。

仮に毎日持ち帰って家でインターネットを通した学習をする場合は、回線を引いてしまった方がよいでしょう。

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など、保護者のもっているスマホと同じキャリアの回線であれば、割引なども適用できます。

子供の学習のため、回線の整備をおすすめします。

まとめ

子供の自宅学習のための環境は学校(自治体)だけではなく、保護者(家庭)の協力が必要です。

あなたのこどもを守ために、学校そして家庭で情報セキュリティモラルの教育をしていきましょう。

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