ネットワークエンジニアになりたい!って思ったときに資格って持ってた方がいいんですか?
そうだね!やっぱり自分の技術力をアピールする材料として持っておくといいね。
まずはこれを取ったほうがいい、とかお勧めありますか?
有名なものでCISCOのベンダー資格のCCNAと
IPAが出しているネットワークスペシャリストがあるよ。
ふむふむ、ちなみにどっちがおすすめですか?
というわけで、今回はネットワークエンジニアを目指す皆さんに向けて現役SES企業のインストラクターが
ネットワークエンジニアが持っておきたい資格について説明します。
はじめに:ネットワークエンジニアに必要な資格とは?
ネットワークエンジニアとして活躍するためには、実践的なスキルだけでなく、知識を裏付ける資格が必要とされます。
CCNAやネットワークスペシャリストは、その中でも代表的な資格であり、各々の資格が持つ強みやキャリアにおける影響を理解して、適切な選択をすることが重要です。
CCNAとネットワークスペシャリストの比較: どちらが適している?
今回の比較はCCNAとネットワークスペシャリストですが、まずどちらを取得したほうがいいかを記載します。
おすすめはCCNA
ネットワークエンジニアとして仕事をしたいのならおすすめはCCNAです。
理由についてはとっても簡単
初級ネットワークエンジニアに求められているものが証明できるから。です。
お客様に求められるCCNA
SES企業に限らず採用の募集では「必須条件」と「歓迎条件」があります。
ネットワーク系の仕事の場合は歓迎条件の中にその会社で必要な資格や経験が書いてあるのですが、大体の企業で書いてある歓迎条件として「CCNAもしくはCCNPを取得している」というものがあります。
ネットワークスペシャリストと書いてあることもありますが、CCNAよりは下の方に書かれていることが多いでしょう。
たしかに求人票を見るとCCNAと書いてある企業が多いですね。
そうなんです。ネットワークスペシャリストがいらない、というわけではないのですが、未経験エンジニアが対象の場合はCCNAのほうがとても多くなっています。
CCNAはCiscoの資格なんでCisco以外の機器を使っているところはCCNAを求められないような気がしていたんですが……。
それじゃあ、CCNAの内容とネットワークスペシャリストの内容を比較してどこでどんな資格が求められるか解説していきます。
CCNAとは?取得するメリットと難易度
CCNAの概要
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、Cisco Systems社が提供するエントリーレベルの資格であり、ネットワーク技術の基本的なスキルと知識を認定するものです。
この資格は、ルーティングやスイッチングをはじめとした、ネットワーク構築の基礎から実務に至るまでのスキルをカバーしています。
どんな知識が身につくか
CCNAの試験範囲は非常に広範であり、以下の主要な分野に対する深い理解を要求されます。
- ネットワークの基礎(TCP/IP、LAN、WAN)
- ルーティングとスイッチング(OSPF、EIGRP、VLANなど)
- ネットワークセキュリティ(ファイアウォールやアクセス制御)
- 自動化とプログラマビリティ(SDNやプログラミング言語の基礎)
結構多いですね……。
とりあえずCCNA取っておけばネットワークの基礎から機器の設定や構築まで一通り網羅できます。
複数ベンダーの機器に対応できる
でもCCNAってCiscoの機器しか設定できませんよね?
いやいや、確かにCiscoの認定だけど実際の機器設定以外のところが他ベンダーでも役に立つよ。
機器の設定も今はほとんどCiscoライクになっているので、ちゃんとベンダーのマニュアル読めばOK。
確かにCisco機器の設定を前提にしているのでCiscoでしか使えないコマンドもあり、Cisco独自のプロトコルの紹介も含まれています。
ただし、基礎の部分やネットワークアーキテクチャ、セキュリティなど実際の機器操作以外の項目は他ベンダーの機器を設定する際にも非常に有用です
例えばCiscoの機器でインターフェースを指定する際に
(config)#interface gigabitehernet 0/1
と書くところが他メーカーだと
(config)#interface port1.0.1
だったりします。
この設定は、ネットワークスペシャリストを取得するとできるようになりますか?
ちょっと難しいかも……。
CCNAが求められるシチュエーションとキャリアパス
CCNAは、世界的に認知されている資格であり、特にCisco製品を使用する企業や国際的なネットワークインフラを担当する企業で求められます。
CCNAを取得することで、ネットワーク管理者、サポートエンジニア、またはシステムエンジニアとしてのキャリアを始める足がかりとなります。
さらには、CCNPなどの上位資格に進むための基礎を築くことができます。
難易度と試験情報
試験はシングル試験形式で、全体的に広範囲の知識が問われるため、初学者にとってはやや難易度が高いと感じられるかもしれません。
ただし、しっかりとした学習計画と実践的なトレーニングで乗り越えることができます。
おすすめのテキストはこちら
Ping-tというサイトがあります。
テキストや問題集だけでも合格可能ですが、CCNAを早く取得したい場合はPing-tも活用ください!
CCNA試験の費用と申し込み方法
CCNA試験の費用
CCNA試験の費用は、地域や試験のバージョンによって多少異なることがありますが、一般的には**約300ドル(日本円で約3万5千円前後)**となっています。この費用は、Ciscoが設定しているもので、試験登録時に支払います。
2024年でのCCNA受験料は 42,900円(税込)となっています。
CCNA試験の申し込み方法
CCNA試験の申し込みは、以下のステップで進めます。
1. Ciscoの公式サイトでアカウントを作成
試験を受けるために、まずCiscoの認定試験ポータルでアカウントを作成する必要があります。Ciscoのアカウントは、公式サイト(Cisco Certifications)から簡単に作成できます。
2. Pearson VUEで試験登録
Ciscoは試験の提供を、試験提供会社「Pearson VUE」を通じて行っています。以下の手順で試験を申し込みます。
- Pearson VUEのCisco試験ページ にアクセス。
- Ciscoアカウントでログイン。
- CCNA試験(試験コード: 200-301)を選択。
- 試験会場の選択またはオンライン試験のオプションを選びます。オンライン試験では、自宅やオフィスから受験可能です。
- 試験日程と時間を設定し、登録を完了します。
3. 試験費用の支払い
申し込み手続きの最後で、クレジットカードやデビットカードを利用して試験費用を支払います。
試験形式と受験方法
CCNA試験は、以下の2つの形式で受験が可能です。
- 試験センターで受験:Pearson VUEが提供する試験センターで受験します。試験センターは世界中にあり、日本国内にも複数の試験会場があります。
- オンライン受験:自宅やオフィスなどで、監督付きのオンライン試験を受けることができます。オンライン試験の場合、カメラとマイクが必要で、試験監督者がリアルタイムで監視します。
自宅でも受けられるんですね。
そうなんだけど、少しでも画面から目を外すとダメだったり、環境が整っていないとダメだったり、なかなか面倒らしいよ。
再受験ポリシー
もし試験に不合格となった場合、初回不合格後、5日間の待機期間を経て再受験が可能です。再受験する際にも、再度試験費用が発生します。
ネットワークスペシャリストとは?取得するメリットと難易度
ネットワークスペシャリストの概要
ネットワークスペシャリストは、情報処理技術者試験の一環として実施される国家資格です。
特に日本国内での評価が高く、企業や政府機関などで働くネットワーク技術者としてのキャリアに大きな強みを発揮します。
国家資格というのはなんだかよさそうですね!
ネットワークエンジニアからキャリアアップしてPLやPMを目指している人におすすめします。
試験範囲と必要な知識
ネットワークスペシャリスト試験では、ネットワークの設計・構築からセキュリティ、運用まで、非常に幅広い領域が問われます。
試験は理論的な理解に加え、実際の設計や構築に役立つ具体的な知識が求められる点で、高い技術レベルを必要とします。
- ネットワーク設計・運用
- セキュリティ対策
- 仮想化技術やクラウド技術の応用
範囲がCCNAと違いますね。
CCNAは実際に機器を設定するコマンドや仕組みを学習するけど、ネスペは設計や運用についての知識が求められるかな。
もちろんCCNAでも設計や運用の知識が必要だけどネスペとはちょっと方向が違うかも。
取得後のキャリアアップの可能性
ネットワークスペシャリストを取得すると、日本国内での就職や昇進に有利なだけでなく、プロジェクトマネジメントやネットワークコンサルタントとしてのキャリアパスも視野に入れることができます。
また、情報セキュリティやインフラ設計の分野での高い専門性が評価されます。
難易度と試験情報
ネットワークスペシャリストの試験は非常に高い技術的な内容が含まれ、合格率も低めです。合格するためには、実務経験が重要となるため、初心者向けの資格ではありません。
難しいですか?
難しいね……。
詳しい仕組みは別リンクの記事を見てもらいたいんだけど、午前Ⅰのカリキュラムは応用情報の仕組みだし午後は記述式だし、CCNA比較するとかなり難しいレベルになるね。
ITパスポートや宅建などたくさんの過去問を出している過去問道場
もちろんネットワークスペシャリストの過去問もありますのでぜひ活用ください。
※午前Ⅱのみなので注意!
高度情報処理試験については私が情報処理安全確保支援士試験を受けた時の記事があるのでこちらから確認ください。
CCNAとネットワークスペシャリストの違いを比較
試験内容の違い
CCNAはグローバルな視点でのネットワーク技術全般を問われますが、ネットワークスペシャリストはより日本国内に特化した内容であり、具体的な設計や運用の深い理解が求められます。
取得のためのコストと時間
CCNAの取得にはオンラインでのトレーニングや模擬試験を利用しながら、比較的短期間での準備が可能です。
一方で、ネットワークスペシャリストは年に一度しか試験が行われず、資格取得までに時間がかかる場合があります。
グローバルと国内市場における評価の違い
CCNAは、特にグローバル企業や海外でのプロジェクトに強い評価を持ちます。
逆に、ネットワークスペシャリストは、日本国内の企業や公共機関での信頼性が高く、国内市場向けのキャリア構築には最適です。
CCNAは世界で通用するけど、ネットワークスペシャリストは日本の資格ですもんね。
ただ、ネットワークスペシャリストは国家資格だからね、なかなか強いカードになるよ。
どちらを選ぶべきか?タイプ別おすすめ資格
初心者向け:CCNAが向いている理由
CCNAは、ネットワークの基礎から学べるため、初心者にとっては入りやすい資格です。
Cisco製品を扱う企業が多いため、業界全体での需要も高く、エントリーレベルのネットワークエンジニアに最適です。
国内重視のキャリアを目指すならネットワークスペシャリスト
日本国内での企業就職や、官公庁でのネットワーク技術者としてのキャリアを目指す場合、ネットワークスペシャリストは非常に価値があります。
特に設計や高度な運用スキルを求められるポジションに就くための基礎となります。
結局どっちがいいんですか?
私の独断と偏見でいい?
CCNAからとったほうがよさそう?
「これから」ネットワークエンジニアを目指すなら
まずはCCNA(できればCCNPも)
ネスペはPMとかPL、TLとかマネージャー、リーダー職を任されそうになってからでもいいと思います。
なんで?
ネスペとってもルータの設定はできないのよ。
まずは現場で役立つ認定から、ってことですね!
CCNAとネットワークスペシャリストの両方を目指す場合
両方の資格取得がもたらすメリット
CCNAとネットワークスペシャリストの両方を取得することで、国内外で通用する幅広いスキルを持つことができます。
グローバルなプロジェクトにも携わりつつ、日本国内の需要にも応えることができるため、非常に強力なキャリア構築が可能です。
ステップバイステップで取得するための計画例
- CCNA取得(基礎知識の習得と実務経験)
- ネットワークスペシャリスト試験準備(日本国内の技術要件に特化した学習)
- CCNPや高度なセキュリティ資格の取得(キャリアアップを目指す)
CCNA含めたCiscoの認定は2年ごとに更新が必要なので注意しましょう、同じ試験または高度試験を受講する。もしくは有料の講座を受講する必要があります。
まとめ:自分に合った資格選びでキャリアアップを目指そう
CCNAとネットワークスペシャリストは、それぞれ異なる強みを持つ資格です。
自身のキャリア目標や業界のニーズに合わせて、どちらの資格が自分にとって最適かを判断することが重要です。
しっかりとした学習と準備を通じて資格を取得し、キャリアアップを目指しましょう。
CCNAが簡単っていうわけでもないですよね?
難易度で比較するとネスペよりCCNAのほうがとりやすいけど、決して簡単ではないから注意してね。
コメント