うわーん、Daisukeさ〜ん、助けて〜……
どうしたの?Akariさん(のび太くんかな?)
今、新しくできた情報セキュリティルールの周知をしていて、ほとんど問題ないんですけど、一部の管理職の方がクレームをつけてきて。
教育が進まなくなってまいました(泣)
頑張れ!と言いたいところだけど、管理職が原因で情報セキュリティ教育が進まないのは問題だね。
ほんとになんでああいう言い方してくるんでしょうね。(怒)
めんどくさい上司と話をしているだけでストレスで思いっきり精神削られます。
できることなら関わらないのが一番なんですが、どうしても関わらないと仕事が進まないのでストレスにならないよう上手に取り扱うようにしましょう。
というわけで、今回はどこの会社にもいる、めんどくさい上司の対処方法です。
特に情報セキュリティはトップ(経営者)から管理職そして一般社員へとつながっていくトップダウンでの運用が不可欠。
上司が原因で運用が止まってしまわないようにきちんと対応しましょう。
今回はめんどくさい上司を3つのタイプに分類して、タイプ別の対応方法をご紹介します。
情報セキュリティの構築方法については別記事でご紹介していますので、そちらも是非ご覧ください!
群馬県在住40代サラリーマン
転職して東京の大企業で講師を務めつつISMS運用にも携わる。- インフラSEから講師へキャリアチェンジ
- 30名ほどの中小企業でCISO(情報セキュリティ責任者)として7年間従事
- ISO27001(ISMS)導入
- テレワークなどクラウドを利用してのサービス導入に携わる
- 資産管理ツールやクラウドセキュリティなど導入実績多数
- 情報セキュリティマネジメント保有
- 情報処理安全確保支援士取得
めんどくさい上司3タイプ
では実際に私が経験したケースをもとにめんどくさい上司を3つに分類します。
まずは今思い浮かべているめんどくさい上司がこの3タイプのどこに当てはまるかを確認しましょう。
今回は
- ロジハラ型
- モラハラ型
- パワハラ型
の3タイプに分類します。
ここから各タイプの詳細をご説明します。
【①ロジハラ型】相手に正論を押し付けて論理的に相手を言い負かそうとする
この報告までの期限はなんで7日になったの?
7日もあったら被害広がらない?
7日にした根拠は?
社員以外の入室禁止って書いてあるけど、入室しているか常に誰か確認してるの?その部屋の監視用だけのために人でも雇う?
スクリーンセーバーを無操作10分で起動するように設定することってあるけどロック、スリープ、画面消去じゃダメなの?
これだとスクリーンセーバー以外はアウトだよね?
どう考えてもロックやスリープの方が安全だと思うんだけど?
まずはロジハラ(ロジカルハラスメント)。
相手に正論を押し付けて論理的に相手を言い負かさないと気が済まないタイプですね。
本人は正論を言っているので考えを曲げることがなくこっちが折れるまでずーっと正論を言い続けるので非常に厄介です。
似たようなこと言われました。
ノートパソコンの場合は画面を閉じれば見えなくなるけど、なんでそれじゃダメなんだ?って
たしかにその通りなんだけど、ノートパソコンの画面を閉じた時の動きってバッテリーで稼働しているか電源で稼働しているかによっても変わってくるから難しいんだよね。
どんどんマニュアルが長くなっちゃう。
【②モラハラ型】細かいところで人格を否定し、相手の価値を下げてくる
教育?忙しいから後にして!
今月中にしないとダメ?
そっちの都合だろ?
俺は無理って言ったからあとはお前らでどうにかしろよ。
俺はいいんだけどさ、これやって何も成果出なかった時って責任取れるの?
誰が責任取るの?お前?
お前がなんの責任取れるの?ただの平社員だろ?
お前のクビくらいじゃ済まされないよ?
いや、俺はいいんだよ?ただ普通一般的に考えてそう思わない?
ていうかこのルールって誰が決めたの?
委員会で決めた?
委員会って誰か資格持ってる社員ているの?
そんな無資格な社員が作ったルールってなんの役に立つの?
ゴミじゃん!
2つ目はモラハラ型。
細かいところで人格を否定したりその人の価値を下げてきます。
陰湿なネチネチしている上司がやりがちなハラスメントですね。
このタイプはいびるために重箱の隅の隅をつついて指摘をし、ちょっとでも気に食わないところがあるとものすごい勢いで攻撃してきます。
始めたばかりの企画や制度を動かす際にとても問題になるタイプですね。
情報セキュリティは動かし始めたばかりなので、細かいところが決まってないところが多くて……
こういうタイプってそう言っても聞いてくれないから大変なんだよね。
上司なんだからわかってほしいんだけど。
【③パワハラ型】自分の話しかしない、常識が通じないタイプ
このルールだけどさ!
俺はこうした方がいいと思うんだよね!
そうおもうだろ!?
今のやり方はおかしいんだよ!
俺が入社した時はこんなめんどくさいことをしなくてもよかったのに!
お前らじゃ頼りにならないから俺が委員会に入ってやるよ!
え?社長が任命してる?
そんなん関係ないだろ、俺が言えば大丈夫だって!
最後はパワハラ型です、ちょっとパワハラというには微妙なところかもしれませんが、自分の意思や意見を押し通す!という意味でパワハラとさせてください。
このタイプはロジハラ型やモラハラ型と違い、もう常識が通用しません。
ネチネチしていないだけマシにも見えてしまいますが、発言の内容が突飛すぎて「もうついていけない……」となってしまい、大きく精神を削られます。
説明中に突然思い出したように自分の思いつきや、昔の武勇伝を話し始めてしまって全く教育が進みませんでした。
ぜーんぶ思いつきで話をしてくるからまったくまとまらないんだよね。
絶対中(委員会)には入れたくないタイプかな。
めんどくさい上司タイプ別対処方法
タイプ毎の特徴を見極めてそれにあった対応をしていきましょう。
私の勤務している会社はそんなに社員が多いわけではないのですが、このパターンの当てはまる上司がいました。
また、日々の顧客とのやり取りでもこの対応方法が有効に機能しています。是非参考にしてください。
ロジハラ型
ロジハラ型の特徴は以下の3つです
- 相手を自分より下に見ている。
- なによりも自分が正しいことを証明したい。
- 正論をぶつけることが相手のためになっていると考えている。
今回は相手が上司なので、1の相手を自分より下に見ている。というのは当然ですね。
ロジハラ型上司の対処方法は1つしかありません。
一旦全て受け止める。
例えば先の項目で出した会話例の場合ですと。
この報告までの期限てなんで7日なの?
7日もあったら被害広がらない?
7日にした根拠は?
ああっ!
確かになぜなんでしょう?
情報セキュリティのコンサルを受けた会社からの提案で
一般的らしいんですが、念の為なぜ7日なのか確認しておきますね!
ありがとうございます!
社員以外の入室禁止って書いてあるけど、入室しているか常に誰か確認してるの?その部屋の監視用だけに人でも雇う?
うわー、確かに常に確認はできないですね。
どうやったら問題がないように運用できるかもう一度委員会で詰めてみます!ありがとうございます!
こんな感じで、一旦全て受け止めましょう、ロジハラ型の上司は
- わからない部下に対していろいろ教えてやった。
- 俺が不完全な制度を正してやった。
- 部下に感謝された。
こう思わせておけばそれで満足します。
そして実際の指摘についてはほとんどの場合その場で回答できるような問題ではありませんので、情報セキュリティの部門で改めて「こういう指摘をいただいた、実現可能か?」ということで話し合いをしましょう。
その上で採用できるものは採用し実現が難しいものについては保留又は棄却してしまいましょう。
ロジハラ型上司の意見が情報セキュリティの改善に貢献することもあります。
クレームはお客様からの大事なご意見だ。みたいな感じですかね?
その通り!対応中は細かいことをいちいち突っ込まれるんで、疲れちゃうけどね(汗)
モラハラ型
モラハラ型の特徴は以下の3つです
- 人格の否定など精神的にダメージを与えてくる。
- 自分だけが正しいと思っている。
- モラハラをしている自分に酔っている。
私の考える一番最悪なタイプです。
とにかく理不尽に相手を精神的に追い詰めて自分を正しいと思い込ませます。
そうして、泣きそうな顔の相手を見ながら悦に浸ってしまうような性格の悪い人、がこのタイプです。
モラハラ型への対処方法はとっても分かりやすい上に対処がしやすいこの方法です。
外面を出す人間を同席させる。
基本的な行動パターンがあって、モラハラをする人は
- 外面は良い。
- 弱い相手にしか攻撃しない。
- 自分の評価を下げられることを心底憎む。
のです。
モラハラをする人は外面(そとづら)と内面(うちづら)を上手につかい分けます。
家庭でのパートナーからのモラハラを考えるとわかりやすいでしょう、家ではものすごいモラハラをしていますが、会社ではとても家庭的な良い人として認識されていたり、社会的に評価されていたり、などです。
モラハラ型上司を相手にする場合は、さらに上の上司を同席させたり、異性の社員を同席させたりするだけで対応がガラッと変わってきます。
モラハラ型上司が誰に外面を使っているのかはすぐにわかります、教育や会議の席に同席してもらえばもうモラハラ型上司は攻撃する手がありません。
あ〜、確かにX部長なんて私と1対1で話している時と
会議で話をしている時は別人のようです。
別の人と同席させる場合はメンバーを選ばないと「いいところを見せたい!」って、さらに増長することもあるんで気をつけてね。
本当に陰湿なモラハラ型上司の場合は、後になって攻撃してくることがあります。
教育が終わった後も熱が冷めるまでは1対1にならないように気をつけましょう。
パワハラ型
パワハラ型上司の特徴は以下の3つです。
- 自分がそう思ったらそうしないと気がすまない。
- 感情の起伏が激しい。
- その場の思いつきで行動する。
パワハラ型の上司は「とにかく自分の話」しかしません。
自己肯定感が非常に強く相手を思い通りに動かしたいオラオラしている人に多いですね。
そんなパワハラ型上司の対処方法はこちらです。
とにかく持ち上げて、その場を乗り切る。
パワハラ型は
- とにかく自分の意見を言いたい。
- 反対されると激昂する。
- すぐに不機嫌になる。
どのタイプでも同じですが特にパワハラ型の上司に対して怪訝な対応や否定をしてはいけません。
自分ルールで動いているので通常の相手であれば正論で論破可能ですがそれを受け付けないのがパワハラ型です。
文頭の会話例で行くと
このルールだけどさ!
俺はこうした方がいいと思うんだよね!
そうおもうだろ!?
あぁっ!
確かにそっちの方がいいかもしれませんね!
さすがパワハラ上司さん!ありがとうございます!
一度委員会に持ち帰ってみますね、ただ法令の関係で難しいところがあるかもしれません、通りそうだったらまた相談しますね!
お前らじゃ頼りにならないから俺が委員会に入ってやるよ!
え?社長が任命してる?
そんなん関係ないだろ、俺が言えば大丈夫だって!
ありがとうございます!
私のほうから社長に話を通してみますので、それまではパワハラ上司さんの部署内でトップをお願いします!
パワハラ上司さんの実績が出てからの方が社長もすんなり許可を出してくれると思いますので!
と、こんな感じでその場を乗り切りましょう。
ルールの変更とかメンバーの変更とか結構重要なところまで許しちゃってますけど大丈夫ですか?
大丈夫だよ!
来週のゴルフ終わったら多分もう忘れてるから。
このパターンは勢いだけのパワハラ上司には向いているのですが、モラハラやロジハラをあわせ持っている場合はしつこくネチネチ嫌がらせをしてくる可能性があります。
そうならないように回答には十分気をつけましょう。
間違ってもその場でOKを出さないようにしましょうね。
相手のハラスメントタイプを見分けることが重要です。
複数のハラスメント属性を持っている場合は特に気をつけましょう。
めんどくさい上司からより良い情報を吸収しよう
ここまでで3タイプのめんどくさい上司をあげてきましたが、めんどくさいやりとりの中にも情報セキュリティレベルを上げるためのヒントが隠されていることがあります。
ここではその「めんどくさい上司」とのやり取りの中から
- 本当に使える提案なのか
- ただの言いがかりなのか
を振り分けていきましょう。
的外れな指摘と的を射ている指摘をきちんと分別
いただいた指摘の中には、情報セキュリティ委員会のメンバーでは思いもつかなかったような秀逸な指摘が含まれていることがあります。
情報セキュリティ委員会で議事にかける前にあらかじめ分別をしておきましょう。
- 自分で「なるほど!」「確かに!」と思ったもの。
- 今は難しいががんばればできそうなもの。
- 放置しておくと今後問題になりそうなもの。
この3つは大事です、もしこれに当てはまるものがあれば、情報セキュリティ委員会できちんと話し合いましょう。
これ以外のクレームに近いものや、どうやっても実現不可能な内容はメモだけしておいて念のため報告だけはしておきましょう。
あなたが無理だと思ったものでも他の委員会のメンバーなら良い方法が思いつくかもしれません。
情報セキュリティ委員会できっちり精査
分別した指摘は必ず情報セキュリティ委員会で精査をしましょう。
上の項目でも書きましたが
- 自分で「なるほど!」と思ったもの。
- 今は難しいががんばればできそうなもの。
- 放置しておくと今後問題になりそうなもの。
については今すぐ変更をしなければならないのか、次の委員会や会社の「期の始まり」で導入するのか、数年後を目標に導入するのか、を決めておきましょう。
- 変更をした方がわかりやすくなる。
- 変更しないと法令や規則に抵触する。
指摘については速やかに変更し、その他の指摘については次の文書変更のタイミングでも良いかもしれませんね。
まとまったらルール変更を
まとまったら必要な関連文書を更新して、全社員に周知しましょう。
変更が軽微なものについては回覧や社内ポータルで周知すれば十分です。
大きく変更した場合は改めて教育の機会を設けた方よいものもあります、その辺りは情報セキュリティ委員会できちんと話をしておきましょう。
(まとめ)めんどくさい上司と戦うために
ここまで各ハラスメント型の特徴と対処方法をご紹介致しましたが、めんどくさい上司と戦うためはこちらもきちんと武装しておきましょう。
相手は自分の地位や役職を使って攻撃できますが、こちら側は戦える地位を持っていません。
じゃあ力で戦いますか?コーヒーにトイレの水でも入れますか?
違いますよね。
答えは一つ知識と理論だけです。
相手に負けないよう、勉強をしてグゥの音も出ないくらいの情報セキュリティを構築してやろうじゃないですか!
私は情報セキュリティを運用するメンバーに情報処理安全確保支援士の資格取得を推奨しています。
資格が取れなくても勉強するだけでも運用のクオリティが上がること間違いなしです!
そんなDaisukeさんは情報処理安全確保支援士持ってるんですか?
ううっ……午前1免除の状態で勉強中です。
午前1と2は取れるんだけど、午後の文章問題がだいぶネックになるね。
終わりに(一番大事なこと)
私の周りのめんどくさい上司たちはこの方法で対応できましたが、私の想像を超えるハラスメントをしてくる方もいらっしゃると思います。
もし耐えられないくらいのハラスメントを受けた場合は関連各所に連絡して身を守りましょう。
どうにも耐えられなくなったら頑張らずに休職や転職をして新しい環境でハラスメント上司のいない職場でお仕事をしましょう。
会社の情報セキュリティも大事ですが、あなた自身が一番大事です!
他にも情報セキュリティ担当者目線で書いた仕事術があります。ぜひご覧ください。
コメント